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白石ちえこ (1968- ) の《島影》は、日本周辺の島々や沿岸地域で撮影されたさまざまなイメージによるシリーズです。これらの作品はすべて1920年代から30年代にかけて日本のアマチュア写真家の間で流行した “雑巾がけ“ として知られる古いレタッチ技法によって制作されました。それぞれのイメージは色褪せた記憶を呼び起こすとともに、撮影者自身の記憶を辿るように画像の中に現れては消え、ぼんやりとした記憶を背景に淡いシルエットとして佇んでいます。
白石ちえこ(しらいしちえこ)
神奈川県横須賀市生まれ、90年代後半より写真家として活動をスタートし、これまで「ギャラリー街道」や「ギャラリー冬青」などで展示を行う。近年はフランス・パリのGalerie Echo 119で個展を開催するなど今後さらなる活躍が期待される写真家。1920年〜30年代にアマチュア写真家の中で流行になった”雑巾がけ”と呼ばれる技法での制作を行うことでも知られ、便利堂のコロタイプのワークショップに受講し、2023年度の便利堂ハリバンアワードでは審査員賞を受賞。写真集に「 サボテンとしっぽ 」( 冬青社) 、「島影 SHIMAKAGE」(蒼穹舎)、「鹿渡り SHIKAWATARI」(蒼穹舎)がある。