写真家・林朋奈の初の作品集。
作者は作品のための撮影に出かけるということはせず、日常の生活の中で見つけた「光のかけら」を写真に撮る、というスタイルで制作しています。
被写体として多く登場するのは作者の家族や親しい友人、その子どもたちなど。身近な友人や家族をモデルに撮影する作品はほかにも目にしますが、本書はその距離感が新鮮です。近い、という一言であらわせない、被写体として見ているというよりも作者と彼らのあいだの親密で幸福な空間の中にたまたまカメラがあった、という印象が残ります。ページをめくるたびに、身体に宿る内側からはち切れそうなエネルギーとただそこに存在している生命の美しさが胸にせまってきます。
・林朋奈(Tomona Hayashi)
1986年三重県生まれ。
東京ビジュアルアーツ専門学校で写真を学んだ後、2013年サードディストリクトギャラリーの運営メンバーとして参加。
近年の個展に「フラグメントライト」(サードディストリクトギャラリー / 東京/2023)「JOY!」(Alt_Medium / 東京/2023)
グループ展「清里フォトアートミュージアム 2021年度ヤング・ポートフォリオ サテライト展」(Place M / 東京/2022)「2021年度ヤング・ポートフォリオ展」(清里フォトアートミュージアム / 山梨/2021)など精力的に活動中。