コザの街で写真家が実際に経験した出来事はとても印象的で、写真家の脳裏に焼き付き離れなくなり、それらが夢に出てくるようになります。それは写真家の個人的な街とのつながりを表していると同時に、写真家にとってのコザ像を形作っています。ともすると虚構の世界を作ろうとしているようにも見受けられますが、夢を見たという行為自体は事実であり、夢のシーンと重なる写真たちは、虚構ではなく実際にコザでドキュメントされたものです。
コザという街は二律背反の要素を持つ場所です。愛に満ちているけれど時として暴力的であり、ローカル色が強い半面、米軍嘉手納基地が隣接しているとても国際色豊な場所です。相反するイメージが同居しているのがコザであり、それが街や人々の魅力でもあります。
これは写真家の個人的な印象であると同時に、写真が逃れられない特性(写真を撮るという行為によって否が応でも写ってしまうという現実)が混ざりあった作品です。これを作られた物語と認識する人もいれば、現実だと認識する人もいるかもしれません。それは、体験や記憶、印象という曖昧なものや、毎日のように消費される加工された情報などが混ざることによって形作られている私達が生きる現実と似ています。
blue affairは、印象や記憶、そしてそこから現れた夢という「個人的で不確かなもの」と、写真という「ドキュメント」が混ざり合い、個人的ではあるけれど虚構ではないコザという街や人々の姿を映し出しています。
(作者HPより)
写真・文章・デザイン: 岡原功祐
寄稿:石川達也
英語編集:Sheila Zhao
部数:初版800部 + Special edition 8部
頁数: 192 ページ
サイズ: 22.7 x 17.2 cm
発行日: 2020年12月25日
言語: 英語(解説:日英)
印刷: MAS
発行元: THE BACKYARD