芸術の世界では無視されがちなタイプの裸体を独特の描写で表現した、注目のシリーズ『ヨコたわるラフ』(1997–2001)を収録した一冊。タイトルはヨーロッパの古典絵画によくある「横たわる裸婦」のパロディであるが、作品はそうではない。キクオと出会う前から自らの美意識の可視化に取り組んでいた作者は、キクオとの出会いにこの探求を放棄するほどの衝撃を受けたという。ソファベッドに寝そべる、がっしりした全裸の中年男性、キクオ。それはまるで、ローマ神話の軍神マルスが美の女神として降臨したのに近い体験だったに違いない。キクオはそれから10年に渡って作者の創作意欲を刺激し続けた。
softcover with poster
28 pages
200 x 274 mm
black and white
limited edition of 500 copies
2021
published by LIBRARYMAN