国内外で高い評価を受ける柴田敏雄の未発表モノクロ写真を収めた写真集。 2023年9月、POETIC SCAPEにて本書掲載の作品を中心に展覧会を開催予定。 ---------------------------------------------------------------------------- 伝説の写真家、柴田敏雄のデッドビート・クラブとの初の写真集は、アーティストと出版社の真のコラボレーションである。柴田敏雄はこの写真集について、「夜から昼へと被写体を移動させるという、新しい解釈のような気がします。ある種の運命のようなものさえ感じる」1980年から1988年にかけて撮影された70点のモノクロ写真は、35年もの間、ほとんど未発表、未公開のままだったからだ。 構造的なコンセプトは一見単純で、夜の連続写真から昼の連続写真へと移行していく。屋内外の強烈な光源が、夜の光景を暗闇に包まれたもの以上に奇妙なものにしている。昼間の写真では、重厚な土や石の塊が、明るさや風通しの良さとは無縁の世界に私たちを根づかせる。そして、昼と夜の間の軸には、光と濁りの両方を内包する不吉なトンネルがある。 タイトルの『Day For Night』が暗示するように、柴田のカメラの中で光と闇が役割を交代する。「タイトルは、この本にもうひとつのレイヤーを与えています。子供の頃からテレビで『ローハイド』を見ていて、その技法は知っていましたが、今まで自分の作品をそのような目で見たことはありませんでした」。その結果、見る者だけでなく、作り手さえも期待を裏切る本が出来上がった。 柴田の作品は、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ロサンゼルス郡立美術館、J.ポール・ゲティ美術館、サンフランシスコ近代美術館、ヴィクトリア＆アルバート美術館、ロンドン、パリ、東京都美術館、東京国立近代美術館など、世界中の美術館のパーマネントコレクションに収蔵されている。 （出版社説明文より）